2015年11月29日日曜日

2015年11月19日第2回高尾山古墳・道路整備両立協議会画像資料↓


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沼津市役所資料URL

第2回高尾山古墳・道路整備両立協議会議事録



第2回 高尾山古墳保存と都市計画道路(沼津南一色線)整備の両立に関する協議会
日時 平成27年11月19日(木)10:00~12:00
会場 プラサヴェルデ4階407会議室
資料説明
・(都)沼津南一色線の推計交通量について(資料1)
・古墳保存及び活用の手法について(資料2)
・空間的に整備可能性のある街路線形について(資料3)
・考えられる整備案の総合的評価について(資料4)


今日の会議で「高尾山古墳」現状保存と道路整備提案が絞られてきた。
車線4線でB案(西側T字4線案)・E案(西側S字2車線、東側トンネル2車線案)・G案(西側T字2車線、東側トンネル2車線案)それにD案・F案・H案も捨てきれない。
次回の会議までに市民の意見を収集し、協議会委員にに報告して下さい。と大橋会長より纏めがあり、閉会となった。


古墳回避へ4ルート
道路建設有識者協議 沼津市が提示
沼津市は19日、都市計画道路の建設予定地にある高尾山古墳(同市東熊堂)の墳丘などの現状保存と、道路建設の両立を模索する有識者協議会(議長・大橋洋一学習院大法科大学院法務研究科長)の第2回会合を、同市のプラサヴェルデで開いた。
市は墳丘を回避する街路線形について、①平面で西側を通過②平面で東側を通過③高架で上を通過④トンネルで下を通過ーの検討結果を公表した。4ルートについてそれぞれ、これまで時速60㌔としてきた設計速度を同50㌔にした場合、車線数を4から2に減らした場合も検討し、建物補償件数や用地買収面積を試算した。平面西側案ではS字カーブ、用地買収面積を減らせる可能性があるT字交差点を採用した場合を示した。
市は9、10月に2回実施した周辺道路の交通量調査の結果も報告し、沼津南一色線の2030年の推計交通量を1日約2万5800台と見積もり、2車線と4車線の境界として国が定めた1万2千台を大きく超えることから、「計画通り4車線が必要」と結論つけた。委員もこれを了承した。
同古墳は3世紀前半の築造とみられる前方後方墳で、当時としては東日本最大級とされる。日本考古学協会は5月、保存を求める会長声明を出したが、地元自治会は渋滞解消などのために道路の早期完成を要望する。市は9月、有識者7人を交えた協議会を設置し、実現可能性のある両立策を模索している。協議会の結論と市民への意見聴取を踏まえ、栗原裕康市長が最終判断を下す。
【静新平成27年11月19日(木)夕刊】


道路整備3案を軸
高尾山古墳回避 有識者協が方針 沼津
沼津市は19日、高尾山古墳(同市東熊堂)の現状保存と、道路建設の両立を模索する有識者協議会(議長・大橋洋一学習院大法科大学院法務研究科長)の第2回会合を同市のプラサヴェルデで開き、古墳を回避する三つの道路整備案を軸に検討する方針を決めた。協議会の委員は周辺道路の歩行者の安全性や史跡整備への道筋を再検討するよう市に要請した。
委員は市が示した九つの道路整備案について、用地買収費を含む事業費用、古墳区域内の車道の有無、建物補償の件数などの視点で比較した。片側2車線を前提に、実現可能性のある案として、①古墳北西の丁字交差点を経由する西側4車線②古墳西側にS字の2車線と古墳下にトンネルを掘り2車線③古墳北西の丁字交差点を経由する古墳西側2車線と古墳下にトンネルを掘り2車線ーを挙げた。
協議会終了後、大橋議長は「多角的に検討し、各案の問題点を指摘できた。ある程度、案を絞り込んで市に提示したい」と語った。栗原裕康市長は検討案に対して市民の意見を聴くパブリックコメントを実施する考えを示した。
【静新平成27年11月20日(金)朝刊】

古墳の現状保存、道路4車線
両立に関する協議会で方針確認
「高尾山古墳保存と都市計画道路(沼津南一色線)整備の両立に関する協議会」の第2回が十九日、プラサヴェルデ会議室で開かれた。協議会の方針として、古墳の撤去・移設の可能性は除外すること、沼津南一色線は上下四車線で整備することを確認。また、市側からは、S字力iブの道路で古墳を迂回する従来の案に加えて、古墳の北西にT字交差点を設けて古墳の迂回を可能にする方式が新たに提出された。
道路側各案に一長一短
T字交差点新設案に優位性か
協議会には、大橋洋一委員(学習院大学法科大学院法務研究科長)、久保田尚委員(埼玉大学大学院理工学研究科教授)、矢野和之委員(文化財保存計画協会代表取締役、日本イコモス国内委員会事務局長)の有識者三氏と県幹部の杉山行由委員(県教育次長)が出席。前回出席した難波喬司委員(副知事)は欠席し、意見書を提出した。議長は前回と同様、大橋委員が務めた。
また、国土交通省街路交通施設課長の神田昌幸氏と、文化庁主任文化財調査官の禰宜田佳男氏がアドバイザーとして同席した。
前提方針 協議会では、初めに前回に市側が実施を約束した沼津南一色線の交通量推計が報告され、一日二五、八〇〇台であるとされた。この推計は、道路を二車線にするか四車線にするかの判断基準として実施され、一万二千台以下なら二車線化も可能になるとされていた。しかし、推計値は基準値を大きく超えたため、二車線化による道路設計は否定されることになった。
続いて、古墳の現地での現状保存については、文化庁の禰宜田氏から「移築では史跡指定の対象とはならない」との意見が出され、古墳移築は検討対象から除外された。
代替案 前回協議会で委員達が要望していた新たな道路設計の代替案について、市側から九案が提出された。
この九案を設計するに当たり、市側は「古墳北側部分の高く盛り上がっている墳丘部を壊さない」「道路用地取得のための建物再移転は可能な限り避ける」「追加の用地買収は最小限に抑える」などの原則を設定。
これに従い、①道路がS字力ーブで古墳を迂回する、②信号のあるT字交差点を設けて道路を直角的にカーブさせて古墳を迂回する、③道路の設計速度を六〇㌔から五〇㌔に下げて古墳の下にトンネルを設ける、の三方式が提案された。
九案は、この三つの方式を組み合わせて生み出されたもので、四車線を一体的に造るもの、二車線ずつに分けて古墳の東西両側に分散して通すもの、二車線に分けて片方をトンネル化するもの、などが含まれている。
一長一短 各案には、それぞれ利点と欠点がある。
四車線が一体的にS字力ーブで古墳を迂回する方式では、用地買収面積が広くなり、過去に移転に応じた建物が再移転を迫られる件数が最も多くなる。
T字交差点方式は、事業費用が約五億円と九案の中では最少レベルであるのに対し、交差点の追加により、スムーズな車両通行に影響が出る。
トンネル方式は、四車線をすべてトンネル化した場合、事業費として最低でも五十億円以上が必要となる。事業費の半分は国負担となるが、平均の年間道路事業費が約八億円である沼津市にとっては重大な負担となる。
四車線道路を二つの二車線道路に分けて古墳を間に挟むように迂回させる案は、古墳と現在の神社との間に二車線道路が通ることになる。このため、歴史的にもつながりの深い古墳と神社を分断してしまうほか、古墳が車道の間に入ることで、古墳見学者が古墳にたどりつくのが困難になる可能性がある。
T字方式の利点 新たに交差点を設けることになるT字交差点による古墳迂回方式は、スムーズな車両走行の妨げになる可能性があると指摘されたが、新たな用地取得や事業費が比較的少なくなることから、委員達からも大きく注目された。
それに伴い矢野委員は、「自分は道路の専門家ではないが」と前置きした上で、交差点の設置により車両の走行速度が落ちることから、交通安全の面では有益であると指摘した。
都市計画の専門家である久保田委員は「T字方式は、道路の専門家が見ると『びっくりたまげた』案であろう」と述べて非常識的なアイデアだとする一方で、「しかし、この場合は可能性のある案だ。近くには国道一号との交差点があり、沼津南一色線の走行車両は、必ず国道一号で止まることになる。どうせ、すぐに止まるのだから、その手前で一時止まるようなことになっても、交通への影響は限られるのではないか」と話した。
国交省の神田氏は、信号機付きの交差点が設置されることは、児童の道路横断にとって都合が良いものであり、交通安全の観点からプラスになる、と意見を述べた。
今回の結論議長役の大橋委員は、各委員からの意見表明を受けた上で、①四車線を一体的にT字交差点方式で古墳西側を迂回させる案、②片側二車線を古墳西側地上でS字カーブさせ、残り二車線をトンネル化する案、③片側二車線を古墳西側地上をT字交差点方式で迂回させ残り二車線をトンネル化する案の三案が有力になるだろう、と述べた。
これに対し、神田氏は、古墳と神社を分断する東西迂回案については、市民の意見を反映した上で今後の検討対象として残すことを要望した。
この意見を踏まえ、大橋委員は市に対して協議会の第3回開催以前に、パブリックコメントなどの実施による市民意見の聴取を市側に要望した。
【沼朝平成27年11月20日(金)号】

全国の模範となるような手続きを
困難な課題だとしつつ市長
協議会の成り行きを主催者席から見守った栗原裕康市長は、終了後の記者会見で「いろいろな意見をいただいた。正直言って想像していたよりも難しい課題だ。古墳の扱いは、当初の計画が市議会での承認を得ていながら、全国的な反響と市民からの要望を受けて再検討することになった。全国の模範となるような手続きを進めていきたい。今回の流れが、価値観や意見の対立を乗り越えるための手法の模範となるよう努めたい」と述べた。
また、市民意見の扱いについては、まずはパブリックコメントという形式で募った後、専門家を交えた市民的議論の場を設ける考えを示した。そして(「あくまでも一私案に過ぎない」「行政の手法として正しいかは分からないが」などと断った上で、古墳や道路の整備費の一部を「ふるさと納税」などの形で広く募ることも有効ではないか、と話した。
一般傍聴席から協議会を見つめた「高尾山古墳を守る市民の会」の杉山治孝代表は、「我々にとっては良い方向ではないか。古墳の現状保存が大原則として確認されたことは、今回の大きな成果だと思う。これまでの活動に意昧があったと思いたい」と話した。
【沼朝平成27年11月20日(金)号】

高尾山古墳を考える:迂回3案を高評価 沼津市、意見公募実施へ 有識者協議会 /静岡
毎日新聞 2015年11月20日 地方版

高尾山古墳(沼津市東熊堂(ひがしくまんどう))の現地保存と道路建設の両立を検討する有識者による協議会(議長、大橋洋一・学習院大法科大学院法務研究科長)の第2回会合が19日、沼津市内で開かれた。市は古墳を迂回(うかい)する道路変更案を9案提示。協議会は、西に迂回しT字交差点を新設する案など3案を高く評価し、今後重点的に検討すると決めた。【石川宏】

協議会が評価したのは(1)4車線全てを西側に迂回させ、T字交差点を新設(2)西側2車線をS字状に迂回させ、東側2車線をトンネル化(3)西側2車線を迂回させT字交差点を新設。東側2車線はトンネル化−−の3案。

市は、古墳移設は価値を大きく損なううえ技術的に困難▽4車線の2車線削減は交通量の多さで困難▽4車線とも東にずらす案は神社の全面移転が必要で困難▽高架は古墳最上部を破壊する−−として案からあらかじめ排除。その上で4車線一体、もしくは2車線ずつ分離して、古墳を迂回させたり、下にトンネルを掘るなどした9案を提示した。

協議会は残り6案については、4車線全てをS字状に西側に迂回させると建物10件の移転が必要で補償費が過大▽上下2車線ずつ、もしくは4車線一体で全面トンネル化すると事業費が50億円を超え過大▽2車線ずつ東西に迂回させると古墳が道路に挟まれ活用しにくくなる−−などとして、低い評価をした。

市は次回協議会(時期未定)前にパブリックコメント(意見公募)をする方針。大橋議長は「傷のない案はない。多角的に検討し、各案の問題点を指摘でき非常に成果があった」と述べた。栗原裕康市長は「想像以上に難しい方程式。異なる価値観が対決した時の解決法として、全国の模範となるようなプロセスを踏みたい」と述べた。

傍聴した篠原和大・日本考古学協会理事(静岡大教授)は「かなりいい方向に向かっている。このままの方向で進んでほしい」と話した。

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